先日行われた「COVID-19の経験を語る会」の講演録が出来ました。まずは、来川早美さん(95)の「私の青春はコロナ禍に奪われた」です。
「コロナパンデミックが始まった2020年。私はまだ15歳の高校生でした。その正体も分からないまま、部活はなくなり、授業もオンラインになってしまい、入学したばかりなのに友達もできない日々が続きました。もともと友達ができないタイプの学生だった私は、そのせいでもっと友達ができなくなってしまいました。オンラインではみんなの顔が見えるだけで、触れ合うこともできません。やっとリアルの授業が始まったころにはもう高校一年生は終わっていました。それに、リアルで学校に行けるのはいいのですが、今では不衛生と言われているマスクを毎日着用させられました。信じられないでしょう?だから、友達がどんな顔をしているのかもよく分からなかったのです。顔の分からない友達とでは、私のような内気な人間は、もっと心を開けなくなってしまいました。表情が分からないのですから、何を考えているかわからず、怖かったです。異性についても、顔も分からないし、マスクも外せない、コロナの感染を防がなくてはならない状況ですから、誰を好きになるとかならないなんて、そんな余裕もありませんでした。そんなわけで、私が青春を謳歌するはずだった3年間は、コロナに完全に奪われたと言ってよいでしょう。今、95歳になっても、時々コロナの時代の夢を見ます。まだ、コロナが続いているのではないかという恐怖と共に目が覚めます。でも、夢の中が現実のような気持ちになり、今の理想的な社会の中でも不安が出てくるくらいです。でも、コロナ禍の後に起きた様々な出来事はもっとずっと悲惨でした。生き残っただけで御の字としなければならないと自分に言い聞かせている今日この頃です。皆さんがどれだけ幸せなのか?たまには私の話を思い出していただければ幸いです。」
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
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