「コンピュータや人工知能にできないこと」を最重要視する教育へ

 文部科学省は、来年度から実施される新学習指導要領の内容を発表した。この中で、各教科について「コンピュータや人工知能にできないことを学ぶ」が最重要項目として掲げられたことが注目される。

 同省は、ホームページで「コンピュータや人工知能ができることを人間がしても意味がない。」と題した次のような文章を先月29日から掲載している。

 <新しい学習指導要領は、これまでの、コンピュータや人工知能(以下、「AI」と言います)の急速な進歩を前提としない考え方を廃し、「人にしかできないことを学び、コンピュータやAIに代替されない人になろう!」という理念のもと、各教科において、コンピュータやAIにできない、クリエイティブな考え方や感性などを重視しています。

 これからの教育は、「ゆとり」でも、「詰め込み」でも、単に「生きる」だけでもありません。新たな文明社会に適応する人を育てることが目的となってきます。

 全ての子供たちが、今後何十年にわたってコンピュータやAIが指数関数的に進歩していく中で、人間がなんのために学ぶのか、つまり勉強することの意味をしっかりと理解し、学習時間全てをコンピュータやAIにできないことを学ぶことに使って欲しい。そのような思いで、新しい学習指導要領を定めました。

 例えば国語。これまではなんとなく学んでいた人が多いかもしれません。しかしこれからは、コンピュータやAIにはできない人間ならではの哲学的思考や、イメージを飛躍させて自立的で、独創的な考え方を生み出すための言語的訓練や、他の人に対する優しい気持ちを持てるような優しい人になってもらうことに重きをおいていきます。優しい気持ちとあえて書いたのは、コンピュータやAIでは「気持ちを持っているようにふるまうこと」はできますが、気持ち自体は持てないとされているからです。

 国語に限らず、あらゆる科目に、人間に残された領域がしっかりあるのです。今後は子供達全員にそのことを学んでもらいます。

 コンピュータやAIが今からは想像もつかないくらい進歩しても、それでも存在する意味がある人間が多く育つよう、私たちは頑張ります。

 新学習指導要領、スタート。>

 このような文部科学省の方針に対しては、「結局のところ技術的特異点についてしっかりと対応できているとは思えない」とか、「総論は納得できるが各論はちゃんとあるのか?」などの声もあるが、今後の技術的特異点(Technological Singularity=今後の飛躍的技術進歩の意)に向けて教育の舵を切ったこと自体大きいとして、評価する専門家は多い。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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