原発用作業ロボット始動

 電力開発機構(※)は22日、同機構の保有する原子力発電所に配備する、原発作業用ロボット「エレクトロイド」(英:”Electroid”)を完成したと発表した。

 同機構によると、原子力発電所は通常状態でも微量の放射線を出しており勤務者がわずかではあるが被爆すること、及び原発事故のときに一定以上の放射能が検出された場合、人間では作業が困難であり、原発が致命的な事態になる危険性があることから、早期に作業ロボットを開発することが政府から要請されていたという。

 エレクトロイドは、小型のキャタピラで移動し、どのような場所でも停止せずに到達できるメカニズムが満載され、また、原発に関するあらゆる作業をこなすことができるように設計されている。また、30キロの遠隔から操作できるように強力なRC機構が装備され、操作者が安全な場所からコントロールできる。

 2011年の東日本大震災においては、このようなロボットがなかったため、作業が遅れてしまったことを苦い教訓として製作された。

 同機構では、エレクトロイドを発電所で使用しながらノウハウを蓄積し、将来的には世界中の原子力発電所を持つ企業に販売し、全ての原子力発電所が停止されるまでの間、安全に原発の管理ができるようにすることを目指す。

 エレクトロイドのネーミングについてはツイッターで公募し、最も人気のあったものを採用した。電気を意味する「エレクトロ」と、「アンドロイド」(人間に似た)の「ロイド」を合成し、最初の「エ」と「イド」は「エイド」=助手、助力者を意味するという。

 ※電力開発機構:2011年11月に政府が出資して設立され、全ての原子力発電所を全国の電力会社から買い取った。原子力に代わる自然エネルギーの研究と、全ての原子力発電所の順次停止を目標としている。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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