「病気のなりやすさ検査」を結婚の可否に使用する人が社会問題に

近年開発された、米国加州ゲノム・サーチ・テック社の「病気のなりやすさ検査」の人気が続いている。同社で血液検査を受けると、自分がどのような病気になりやすいかを知ることができ、早めの予防につながると好評だ。

が、しかし、同社の検査には「ウラ検査」に相当するオプションがあることはあまり知られていない。「ウラ検査」とは、重篤な遺伝病を有する常染色体劣性遺伝子を調べるものだ。例えば白人に多い、嚢胞性線維症という、人を死に至らしめる重篤な遺伝子を有する米国白人保因者は50人に1人に上るという。この疾患は常染色体劣性遺伝を呈するため、保因者そのものは発症しないが、保因者同士が結婚した場合に、生れる子供が発症する確率は1/4となる。

そのほかにも様々な、常染色体劣性遺伝子が知られている。近親者結婚がタブーであるのは、これら遺伝子が濃くなって発症するのを防ぐためである。例として、いとこ婚の場合、お互いの共通の祖父ないしは祖母が、ある稀な常染色体劣性遺伝子を持っていて、それをいとこの両者が有する確率は1/16になり、結婚して子供が発症する確率は1/64になる。

同社の遺伝子検査で、これから結婚しようとするカップルが、稀な常染色体劣性遺伝子をお互いに有していた場合、上記のように1/4の確率で子供が発症する。こうしたサービスはパンドラの箱を開けたようなものであり、検査の結果、そういう事態が想定されるカップルが結婚を躊躇する例が続出しているという。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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