都内に一台しか走っていないという、都市伝説まで流れるようなタクシーであった「会話タクシー」が最近、走り始めているのをご存じだろうか?NPO「静寂社会実現委員会」により、2016年8月に「無口タクシー」が走るようになってから早二年が過ぎ、大いに「無口タクシー」の需要があることが明らかとなったが、無認可の「無駄口タクシー」や「傾聴タクシー」も同時に出回るようになった。NPO「静寂社会実現委員会」へは、『紛らわしい』との苦情も多く寄せられ、同委員会は、無口のまま接客する「無口タクシー」に続き、どのように会話しながら接客するかについての「会話タクシー接客マニュアル、会話ステッカー」を、無口タクシー同様、一定額以上の寄付をした法人や、個人に配布している。記者は、試しに街で会話タクシーに乗ってみた。会話タクシーでは、運転手から「こんばんは~」と、まずは挨拶で始まる。行先を告げると「かしこまりました」と一言。しばらく何も話しかけないでみると、運転手は「車内の温度いかがですか?」と話しかけてくる。間合いが絶妙である。「大丈夫です。」と返事をし次に「今日は暑いですね」と試しに声をかけてみた。すると「そうですね~」との相槌の後「この後少し雨が降って涼しくなるみたいですよ」と返ってきた。会話タクシーは挨拶の声の出し方や、頷くタイミングや、相槌の前の呼吸などといった非言語コミュニケーションのトレーニングを受け規定の技量を満たす運転手にのみ、会話ステッカーの付与が行われている。そこで、取材だと断って運転手さんになぜ会話タクシーをやることにしたのかを聞いてみた。するとこの運転手さんいわく、「以前は無口タクシーの運転手をやっていたんです。自分は、そもそも無口で、会話が苦痛だと思っていたので、無口タクシーの運転手になったのですが、無口タクシーをやってみると、人というのは面白いもので、沈黙が苦痛になってくるようになりました。『無口タクシー』とわかって乗ってくるお客さんですから、当然必要最低限しか会話はしないのですけど、長距離になると、会話しないまま沈黙が続きますよね。すると、なぜか「怖い」という感覚が生まれ始めたのです。人は非言語でも、言語でもコミュニケーションをしているのが心地よいのでは?と思い、話したい時には話す、そうでないときには無口、という会話タクシーが一番いいなと思って、会話タクシーの運転手になりました。」とのこと。インターネットやテレビから大量の情報が流れ、人と関わらなくても不便でなくなった昨今、心の通ったコミュニケーションが希薄になっている。または、人間関係が複雑になっている現代、会話タクシーの需要が高まるかもしれない。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
こんな会話ができる運転手さんなら、他の職場でも引っ張りだこになりそうですね!
インターネット決済等でどんどんスピードが速くなっている世の中で、たまに、間合いをとった接客ができる店員さんに会えると、ほっとします。
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