介護認定を受けずサービスも使わなかった人に一万円が払い戻されることになったことで、介護予防に真剣に取り組む人が急増している。
そのような中、街の商店街に "コグニサイズ" という運動プログラムができるゲーム機が出現した。
コグニサイズとは英語のcognition (認知) とexercise (運動) を組み合わせて作られた造語で、国立長寿医療研究センターが開発した、運動課題と認知課題を組み合わせた認知症予防の為のプログラムのこと。
言い換えれば 、"頭を使いながらの運動" のことで、具体的には、しりとりをしながらのステップ台の昇降や、引き算をしながらのウォーキング、何歩目をどのように動かすかを考えながらのラダー (はしごまたぎ運動 )などがある。
軽度認知機能障害の段階で有効な取り組みを行うと、認知症の発症が予防できると言われているが、コグニサイズはその代表的なものだ。
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http://www.miraishimbun.jp/article/e25ab19a-bd07-45b9-909b-a1167ca031ba
どのようなゲーム機なのか、実際に体験してみることにした。
商店街にあったゲーム機には、よくゲームセンターにある太鼓を叩くゲームのような大きな画面があり、その手前に人が動くスペースがあった。ゲーム機はこのスペースの中で人の動きを認識する。横には手すりがあって高齢者でも転倒しないようになっている。またゲームの途中に、水分補給のための休憩がある。
まず、画面に今日運動してもよい状態なのか確認する質問が出てくる。質問に答えながら画面をタッチしていき、身体の状態が適切であれば運動を始められる。
次に、ウォーミングアップの動画が流れる。ストレッチが何種類かあり、筋トレやバランスの運動もいくつか入っている。動画を見ながらこれらの運動を行っていく。
その後、本格的なコグニサイズが始まる。いろいろなプログラムの中から、本日行うものを画面をタッチして選ぶようになっている。
今日のプログラムは、ステップ台の昇降を繰り返しながら60から3ずつ引いていく内容にした。画面では、行う動作と計算の内容が映像で説明されるが、人が運動を始めると、画面はその人ができた内容の確認に切り替わる。
ステップ台を置いてそれを昇り降りしながら60から3を引いていく。ゲーム機はこの昇降運動と解答を認識し、解答が合っていると太鼓のゲームのように画像で盛り上げてくれる。間違えていると、「 惜しい!」などの音声と画像で明るくフォローしてくれる。
そして、終了すると達成度が表示される。この達成度を基準として、次回は身体にも脳にも更に少し負荷がかかるプログラムを選ぶことができる。
街の商店街にゲームスペースが作られた理由は、お年寄りが歩いて頻回に通えるようにするためだという。
集団で行うのに比べて、一人ひとりのレベルに応じて次第に負荷をかけることができるため、ゲーム機はコグニサイズに適していると言われている。
今後はこのようなゲーム機が全国の商店街に広がっていくと思われる。それにより認知症の介護に費やされる家族の時間や、国民の介護保険への費用負担も減る可能性があり、期待が高まっている。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
コグニサイズ入門
島田裕之 著 土井剛彦 著
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