世界の少子化が深刻化する中、今までタブーとされていた「人工的」な人口増加以外にこの問題を食い止める策はないとの意見が広がっている。これは、iPS細胞などの万能細胞から作成した人工卵子と人工精子を人工授精させ、人工子宮の中で育てる。誕生後は、人工知能を搭載したロボットが世話を行うというものである。現在では技術的には難しいことではないが、今までは倫理的・法的に問題があるとされ実現してこなかった。しかし人口減少は深刻である。国連によれば、今年7月1日現在の世界の人口は15億1200万人と、数十年前の予測を上回るペースで減少している。世界全ての国で人口は減少しており、先進国では男女ともに生涯未婚率が7割を超えるのが普通になっている。特に日本では生涯未婚率が昨年の統計で男性80.8%、女性80.1%に達しており、もはや結婚することの方が特別になっていると言える。仮に結婚を促進する政策を取ったとしても、そもそも子供を産むことのできる女性の数が激減しているので焼け石に水である。
国立遺伝学研究所では、人工的人口増加について昨年ワーキングチームを設け、倫理的・法的な問題の洗い出しに取り組んでいる。最大の問題は、完全に人工的に生まれた子供が誰の子とされるかという点である。iPS細胞は液体窒素で冷凍保存されており、その数は国内だけで2億個以上にのぼるが、そのほとんどは22世紀以前に作成されたものであり、iPS細胞の原料となる細胞の提供者はほぼ全員が亡くなっている。チームが先月取りまとめた試案では、このような場合は親を「なし」とできるように戸籍法を改正するほか、人工的人口増加の際に子供の世話をする人工知能に限り、法的に人間と同様の地位を与えるなどの方策が提案されている。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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