グーグル社は6日、「マウス・グラス」という新たな携帯端末を開発し、今月中にも発売すると発表した。ウェアラブル端末と呼ばれる、身につけて持ち運びができる端末、さらにハンズ・フリーとなるメガネ型端末の最終進化形だ。一見、ただの眼鏡+マイクロフォンなだけだが、眼鏡の内側の映写機からガラス面に向けて情報が投影され、また表情筋の動きによりマイクロフォンがマウスとして機能する。
同社は10年前に、グーグル・グラスと呼ばれるハンズ・フリーのメガネ型端末を開発・発売した。が、これはディスプレイが視野の一部にとどまり、近くを注視しないといけないことから、集中力が必要とされるなどの欠点があった。5年前にはゴーグル型の端末を開発・発売した。この端末ではゴーグルの内側の映写機からゴーグル面に向けて情報が投影される仕組みであり、今回開発もこのゴーグル型を元にしている。が、ゴーグル型はかさばり不格好であるため、シンプルな眼鏡型に戻った。さらにはマイクロフォン型のマウスを付けたのが今回のマウス・グラスの新しい点である。
マウス・グラスの利点は、そのマイクロフォンが音声認識も出来る一方で、マウスにもなるため、しゃべらずハンズ・フリーのままでコンピューター操作が出来る点だ。表情筋によるマウス操作は、最初は戸惑うがすぐに慣れるという。情報は目の前の硝子面に映画の字幕のように半透明な文字ないしは画像情報が広がるため、ユーザーは注視する必要もなく、さほど疲れない。
開発担当者に英語での名称を確認してみた。当然、Mouse(マウス=ねずみ)・glass(眼鏡)かと思いきや、Mouth(マウス=くち)・glassだという。口で表情筋を動かし眼鏡面に投影する端末だからだそうだ。なお、しゃべった時の表情筋の動きでコンピューターが誤作動しないかと質問すると、電源のオン・オフはかなり特殊な表情(口を左右にグイッと引っ張る動作)を使うため、それが日常会話で生じる心配はほぼないという。
このマウス・グラス、通勤・通学の電車内などで汎用され普及することが予想される。なぜなら、ゴーグル型と同様に眼鏡面の反射により液晶が自分からしか見えないため、人に見られる心配がない。しかも、従来とは異なり、音声入力をしなくて済むからだ。電車内での風景が、20世紀中葉から、「新聞を折り畳んで読む→ウォークマンを聞く→スマホを見る」と四半世紀ごとに変容してきたが、今後はマウス・グラスが主流になる時代がやってきそうだ。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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