現代の若者たちの中心とされている”イプシロン世代”たちが、ついに”タイパ”=タイムパフォーマンスの考え方に異を唱え始めた。これまで100年近く、常識とされてきたタイパは、人生の効率を上げはするが、そればかりでは”セレンディピティ”(素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること)の機会を減らし、人生を味気ないものにしてしまうというのである。
イプシロン世代がバイブルとしているのが、120年以上前に書かれた、ドイツ人作家ミヒャエル・エンデによる長編童話「モモ」。1974年にドイツ児童文学賞を受賞した同作は、社会の枠組みから外れた不思議な少女「モモ」が、時間泥棒に奪われた人の時間を取り戻す冒険ファンタジーであるという。
イプシロン世代の石原輝義さんは、「一見するとくだらない時間、無意味な時間の中でこそ私たちは本当の自分に出会える。タイムパフォーマンスばかり追求していたら、いつ本当の自分に出会えるのだろう?それができなければ、いくら効率を追求したところで、逆に自分にとって無意味なことに時間を浪費してしまうだけになる。アンチタイムパフォーマンスという、僕らの世代が求めているのは、むしろ本当の意味でのタイパなんだ」と語る。
写真は、今イプシロン世代の若者に人気の、「カフェの店員が、仕事時間中に客と無駄話をしている」100年以上前のシーンである。こんな時代がかつてあったのだから、我々にもきっとまた、こんな時間を過ごせるようになれるに違いない。(社説)
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
何でも揺り戻しがあるので、タイパについてもしばらくしたらそうなるのかなと思いました。
でもタイパの時代を経てからのアンチタイパは、タイパが出てくる前とも違うような気がします。
コメントの書き込みにはログインが必要です。