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書評:「敬語ができると得をする」

 本書は、近年の若い日本人が不得意とされている敬語こそが、厳しい時代に置かれている彼らのサバイバルのきっかけになると主張している。

 というのは、現在の日本においては財産の多くは高齢者が握っており、そこから富を引き出すためには、彼らとコミュニケーションを取る必要があり、そのためには完璧な敬語をマスターした者が有利になるからだ。

 戦後の民主主義教育の中で、敬語というのは比較的軽視されがちな流れにずっとあったわけだが、今後はサバイバルのための実践学の対象として注目されていくだろう。

 しかし、この本の筆者は処世術ばかりを提示しているのかと思いきや、実際にはそうではない。

 筆者は、「本当の敬語とは、表面だけの、言葉尻だけのものではない。自分よりも目上の者が歩んできた人生に対する、濁りのない目線による正しい理解と、それに基づく真の尊敬の意を表すための言葉なのであって、そこに中身がなければただひたすら虚ろなものである。従って単なるサバイバルの方便として考えているなら、学んでも無駄だからこの本は買わない方がいい。」とまで書ききっている。

 今の時代はハウツー物ばかりが売れるから、本当に大事なことを伝えるためにはハウツー本の体裁を取らねばならないときもあるのだろう。私には筆者の気持ちが良く分かる。

 いかにもずるがしそうな題名とは裏腹に、大上段に人間の生き方を説く良書である。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

著者名書き忘れました。「佐山宗継」著としておきます。

想像好き (日付:

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