インターネット上で、個人が大量にニセの自分の個人情報をばらまくのが大流行だ。最近ニセ個人情報バラマキを個人情報コンサルティング会社に依頼した会社員は、「どこに行っても自分の行動が筒抜けだし、自分が何を考えているかなどについての情報が蓄積されて、それを用いて自分の行動の予測まで非常に高い精度でやられて先回りされるのにうんざりした。一番ショックを受けたのが、私が就職活動をした際に、目当ての会社が私の思想信条や行動パターンなどをほとんどあらかじめ把握していたようで、面接に行く前に、「あなたが当社に適応できる確率は13%です。」と通知されて落とされてしまったことだ。客観的にそうなのかもしれないが、いくらなんでもひどすぎる。これが今回の依頼の直接の理由となった。
今回は私の生年月日、肖像写真、文章など、1000人分のニセ情報を出して本物の情報が区別できないようにしてもらった。コンサル会社は、情報かく乱についての独自のノウハウを持っているようで、私の個人情報かく乱については3年間の保証をしてくれている。実際、これをやってから私が街を歩いたときでも、私の好みの広告がデジタルサイネージの画面に出てきたり、私が行きつけの店に近づくと、到着する前に店員が店の前に出てくるような気持ちの悪い現象も全くなくなった。」と述べた。
このような動きの背景には、実名SNSなどで企業や政府機関などが大量の、顔写真を含む個人情報を蓄積し、路上や建物内に設置されたカメラや、スマホの位置情報などを組み合わせることで、個々人をターゲットにした度を越したマーケティング活動や、捜査を遂行するようになったことがある。また、インターネットの個人情報を用いた犯罪、通称「情報追尾犯罪」による被害が、既に数年前まで主流だった「オレオレ詐欺」を上回っており、増加の勢いが止まらないことも大きく影響している。
現在では個人情報をネット上に無邪気にUPする者はさすがにいなくなったが、今後はこのような動きが活発化していくだろう。「第一次個人情報戦争」はもう個人側からの宣戦布告がなされた状況だ。今後、個人側による情報かく乱と、個人情報を利用する側による真実情報フィルタリングのいたちごっこが続くことになるだろう。
この問題については、個人情報を集中的に蓄積して企業などが利用することに対する法規制の動きが米国などで始まっており、日本でも早期に個人情報保護法を改正して対応する必要がある。そうでないと、個人の権利が害されるだけでなく、大量のニセ個人情報バラマキに伴うインターネット上の情報の混乱が起き、最悪、インターネットの機能不全が起きてくる危険がある。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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