音のない映像に合わせて、ストーリーや俳優のせりふを語る活動弁士による無声映画(サイレントムービー)のハリウッド映画が急増していると、ロスアンゼルス・ムービー・ニュース紙が報じた。
今年に入って公開された無声映画「宇宙戦争エピソード1」「キングコング故郷へ帰る」「大蜘蛛男」などが興行収入の新記録を次々に更新しており、これらはいずれも映像に合わせて映画館で活動弁士が「ライブ」で語り、オーケストラによる生演奏が雰囲気を盛り上げている。
無声映画は20世紀の初頭に発声映画（トーキー）の出現により、無声映画はほとんど製作されることはなかった。
しかし、サラウンド音響、３D映像、コンピューターグラフィックス、俳優のクローン美容整形など「これでもか！」と言われるほどの映画関連技術の進歩への反動で「活動弁士によるライブ感」が脚光を浴びたようだ。
ハリウッドで初めて活動弁士による語りを前提とした無声映画を製作したジョージ・ルーカスは「昨年、オリンピックの記録映画作りで東京に行ったとき、活動弁士が解説する無声映画を初めて観た。上映ごとに違うライブ感や多くの想像力をかきたてる日本独自の上映形式に映画芸術の新たな可能性を感じた」と語っている。
ライブ感のある上映形式という評価だけでなく、永年ハリウッド映画界を悩ませてきた海賊版の製作が難しいことも歓迎されているようだ。
こうしたヒットに柳の下のどじょうを狙った他の映画会社も無声映画を企画している。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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