国土交通省は昨日、ホームページにて、全国の渋滞解消に向け今後、交差点のスクランブル化を導入していくと発表した。発表の要旨は以下の通り。
渋滞には様々な原因があるが、都会など歩行者も車も多いところでは、左折渋滞がよく見られる。片側2車線で、うち右側が右折レーンで、左側が直進または左折の場合、信号が青でも左折時に横断歩道を渡る歩行者が多いため、左側のレーンがなかなか進まず、直進の車も進めないことになる。
こうした左折渋滞の解消のために、それに当てはまる交差点を見つけてはスクランブル化していくという。スクランブル化とは、渋谷交差点などで見られる、横断歩行者と車の交通を時間差で完全に分離する方式のものである。スクランブル化により、人も車も信号の待ち時間が一般に長くなるが、交差点によってはそれを上回るメリットがある。歩行者は交差点を斜めに渡ることができる。また左折車は、赤信号で、交差する方向の車の右折信号の時間帯でも、「左折のみ可」の赤信号にして左折できる。
従来から、こうした混雑した交差点では、歩行者の青信号の時間帯は短めに設定されていた。すなわち、歩行者がいなくなってから車が左折できる時間を多くとるためだ。そのため、スクランブル化による歩行者の待ち時間増加ストレスはあまり変わらないのではないかと考えられる。
さらには車にとっても、上記の「左折のみ可」に対応するために、交差点に進入する車道の片側2車線を3車線に増幅させ、「左折のみ」、「直進のみ」、「右折のみ」に分け、その代わりに対向レーン(交差点を直進した車が通るレーン)を交差点通過直後のみ1車線に減らすプランも検討されているという。
国土交通省では今後、スクランブル化を検討すべき交差点を、調査によりピックアップしていく方針だ。また、市民からのスクランブル化要望をホームページで受け付ける。さらには、数学者などを動員して、どのような交差点にすることが渋滞解消や歩行者ストレスの軽減に役立つかを検討していくという。
この夏は3年連続で暑く、都会ではアスファルトからの照り返しなどに伴うヒートアイランド現象が、渋滞の車からの熱に加えて猛威をふるった。今回の国土交通省の案で、渋滞解消のみならず、これから少しでも過ごしやすい夏が訪れてくれることを期待したい。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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