近来、急速に高齢化が進んでいる21世紀の日本~そこでは、介護という問題が重く横たわっている。近来の若者は楽でトレンディーな仕事を求める傾向がますます強いため、介護士の成り手は乏しく、介護は需要が高止まりの状態だ。介護付きの老人ホームは入居金が500万円から、月額20万円からというところが多く、庶民には手が届かなくなってきている。そんな中、入居金がタダ、また月額が10万円程度という格安の介護付きの老人ホームがある。取材してみると…
東京都府中市にある同施設は、実験的に2年前から運用されている。この老人ホームは高い塀で囲まれた中にあり、外部との面会や取材には手続きを要する。建物の中に入ってみると、各部屋には老人の入浴補助など、きびきびと働く若者たちの姿が目立つ。さらに各部屋には若者たちを監督する介護士が目を光らせている。
実はこの施設は、刑務所の中にある。囚人たちが毎朝、監督者らと共にこの施設に入り、夕方には同じ敷地内にある刑務所に戻っていく。脱走防止のため、施設内の窓には鉄格子がはめられており、朝夕の点呼は厳密になされている。2年前に介護特区を受けた府中市で、府中刑務所内の建物を借りて実験的に開始されたものだ。
施設長(57)は言う。「囚人たちのせっかくの若い力を、介護という重労働に活かさない手はない。毎日、介護を頑張れば、模範囚になるのも早く、出所へのモチベーションになる。なにより、介護で充実感を感じてくれる囚人も多く、出所後に介護福祉士の資格をとろうと勉強する元囚人が後を絶たない。一度、刑務所に入ると出所後に職を得づらい空気が世の中にはあるが、介護なら何とかなる。」
この実験的な取り組みは、介護施設内の老人たちにも人気であり、囚人の更生にも役立つとあって、全国の刑務所に広めていく方針だという。なお、体力のある囚人なら誰でも介護ができるかというとそうではなく、あらかじめ講習や実習を元に選抜され、また介護福祉士や看守の監督下に作業する規定になっている。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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