12月24日、25日の午後8時頃から約1時間、東京都渋谷区のごく一部で積雪が確認された。短い時間ではあったが、ホワイトクリスマスとなって恋人たちは盛り上がったことだろう。
驚いたことに、気象庁及び文部科学省が26日午前の合同緊急記者会見でこの雪が「iECアクティベーター」の実験結果であったことを発表した。
技術的には100キロ圏内の気温を制御できるが、今回は松涛美術館から半径5キロ圏内でのみ気温を2時間ほど下げたという。
気象庁職員と記者団の一問一答は以下の通り。
問:なぜこの日を選んで実験したのか?
答:その前にお詫びをしたい。実は秋にも極秘に実験をしたことがあった。秋晴れの運動会は気持ちの良いものだが、小学校では熱中症の児童も多くなる。今年は10月14日(日)に運動会が集中していたが、朝から気温が異様に上がり30度を越し、熱中症の懸念が強かった。案の定、昼前から救急車の出動が多かったため、世田谷区のある小学校の周囲4キロ圏内に軽井沢の晩秋の大気をゆっくり流した。その結果グラウンドの気温が24度に安定し、児童の体調も戻り数々の好記録がうまれたと聞いている。予告も報告もせずに申し訳なかったが、結果オーライということで許していただきたい。閉会式の頃には29度になっており、我々が意図的に流した大気は自然消滅したものと考えられる。
今回は気温を本当に0度以下まで下げられるか、データを取るための実験だった。寒くなっても許される日はいつかと考えたところ、クリスマスなら許されるだろうという判断で24日、25日に実行させてもらった。これは気象庁が昨年実施したアンケート「雪が降ってほしい日」にクリスマスがダントツだったという結果から導き出した。また、交通機関にも影響が少ない場所、時間帯を選んだ。
問:雪を降らせるのが目的だったのか?
答:それは違う。気温が0度以下になったからといって必ず雪になるわけではない。雪はそもそも水蒸気が雲の中で凝結した粒子であり、我々は雲や水蒸気までは制御していない。当日の気象条件がほぼ降雪に適していて、あとは0度以下になれば雪が降る状態だったと思われる。ちょっと気象の後押しをしただけだということだ。
問:あくまで気温を意図的にコントロールしてはいないということ?学説発表当時は宗教界から神への冒涜とまで言われたが。
答:開発者の太田滋郎東京技術大教授が主だった聖職者と長年話し合いを積み重ね、信頼関係を築き、これが「神をも畏れぬ所業」でないことはお墨付。教授は開発だけでなく、各界への気遣いも忘れずに研究を続けてこられたことをここに申しあげておきたい。
ただし、この話し合いの過程で「金儲けに使わない」という誓約書を教授始め関係者一同が書いており、学説発表当時の「大気ビジネスも可能」発言については正式に撤回する。このため、この技術を民間企業が直接利用することはできない。技術を管理する公的機関を設立し、利用については許可制にする構想。
問:その機関が気象庁や文科省の天下り先になるのでは?
答:失敬なことを言わないでください!人は真実を言われると立腹するという言葉を知らないのですか?大気流出設備の写真を見せてあげようかと思ったけど、今日はやめます!
問:苦労した教授本人が今日の会見にいないのはなぜか?
答:0度になった時点で実験成功だったが、雪が降るという事態に感激しすぎてしまい、本日43度の発熱を発症しやむなく欠席。今はウラジオストックの冷気を少しずつ部屋に流して体温を下げている。当然このデータも取って、病院でのアクティベーター利用について考察していく予定。
問:次の実験はいつか?
答:気象とは予測することに楽しみがあるもの。いつどうなる、なんて言ったらつまらない世の中になるから、言いません。お楽しみに。
会見終了後、記者は太田教授の自宅へお見舞いのアイスクリームをもって出向いた。「いつも玄関にいる方ですよね」と妻の節子さんが対応してくれた。
節子さんは「いったい夫が何をやっているのか私には分からないのですが、いつかノーベル賞を取ると夢のようなことを言うので、晩さん会で着る着物をどうしようか、私も夢見ています。あ、熱は下がってきているのでご安心ください。お見舞いありがとうございます。いつもごくろうさまです」とにこやかに語った。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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スケールが大きいのに、小ワザがあちこちで効いているのがなんともいい感じです。とても刺激を受けますね。
小ワザばかりが先行している私です。頭の中は小ネタでいっぱい。
気温制御技術開発・・・ニュースで見ました。その日は朝から暑いな~と思っていたんですが、10月も半ばでクーラーはどうかな?と我慢していたんです。
空気の入れ替えと思い、窓を開けた途端、加減よしと思われる空気が流れ込んだのは、このせいだったんですね!!!私の家、4km圏内だったんだ~。また、予告なしの実験がありますように。皆さーん、窓開けてみてください!快適ですよ~
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