車に乗る際の安全面における、シートベルトの重要性はいまさら言うまでもない。シートベルトをしていないと、事故時には凄まじい力で前席や天井、ドア等に叩きつけられることになる。あまり知られていないが、後部座席も含めた全ての座席でシートベルトを着用することがずっと昔から義務づけられており、シートベルト非着用による交通事故被害の拡大は被害者の過失とされてしまい、加害者から補償されない。
ところが、シートベルトの着用率は必ずしも100%とはいかない。非着用の理由として多いのが、着用による圧迫感で快適性が失われること、シートベルト着用が役立つほどの事故に遭遇する確率は一生に一度も無さそうだという判断などである。確かに、見通しの悪い路地での一時停止などで運転席から体を前方に乗り出す際などには、シートベルトが邪魔に感じることは筆者もドライバーとしてよく経験する。また、幼い子供を乗せる際には、後部座席で子供がシートベルトを非常に嫌がることも多い。
こうした「アンチ・シートベルト」派の人にもシートベルトを着用してもらうために、大手繊維素材会社の東ラは、形状記憶合金を混在させた繊維素材からなる「体に密着しないシートベルト」をこのほど開発・発売した。この新しいシートベルトを着用する際には、ボタン操作ひとつで、あらかじめ設定しておいた体から数センチメートル離れた空中を、自動でするするとシートベルトが進み行く。シートベルトを外す際もボタンひとつで済むのは従来のシートベルトと同様だが、あくまでも体に非密着であり、想定された空中をシートベルトが戻っていくことになる。
この新シートベルトでも、運転中は大きく体を動かすとシートベルトに当たって圧迫感を感じるが、通常の動作ではそういうことはまず無い。シートベルトは当然目に見えているので、運転中の安心感も得られる。
この新シートベルト、まずは高級車のレクススに標準仕様で導入されることが決まっている。その他の車種にも広がることが予想される。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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