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婚外子の割合が20%に

 厚生労働省は10日、昨年のわが国の全出産に占める婚外子の割合がとうとう20%を越えたと発表した。40年前にはスケートの安藤美姫選手が婚外子出産を明らかにしたことが社会問題化したこともあった。が、婚外子の割合はここ40年でどんどん増加してきている。20世紀後半は「授かり婚」が市民権を得てきたが、21世紀前半は婚外子が市民権を得てきたともいえるだろう。

 フランスなどでは婚外子は20世紀でも容認されていたが、わが国ではなかなか社会の偏見が是正されなかった。わが国はフランスなどのカトリック系国家と比べると結婚や離婚のハードルが低いため、子供が出来たら結婚することが半ば強制される空気があり、それがために婚外子に対する社会の風当たりが強い風潮が以前はあった。が、安藤美姫の告白以来、そうした風潮はどんどん和らいできていると識者らはみている。

 背景には21世紀前半に不況が続いてきたことを指摘する専門家もいる。すなわち、不況で若者男子に職が無く、それがために結婚が遅れて、いざ手に職をつけた頃には男子は40歳近くになり、釣りあう女子も30代半ばになる。こうした事情から、21世紀初頭には男女ともにどんどん初婚年齢が上がっていた。それがために結婚後は、高齢出産や不妊治療などがかさむ事情が続いてきた。こうした年長者の生きざまを見て、それなら産めるうちに産んでおこうというのが最近の若者たちのトレンドなのだろう。

 上記のように簡単にくくれるものではなく、本当は個別具体的な様々な事情が背景にはあるのだろう。が、少子高齢化を憂慮し、社会の多様性を認める風潮も広まり、婚外子が歓迎される世の中になってきており、今後もますます婚外子は増えていくだろう。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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