国土交通省は14日、全国の国道に浄水器と同じ機能を持たせることを発表した。同省によると、国道の舗装の表面に高い透水性を持たせた上で、その下に自然界と同じく、比較的大きめの石から、細かい砂まで高さ50センチの幅で敷き詰め、さらにその下に荒い目のフィルター、中程度の目のフィルター、そして最後に中空糸膜を改良したフィルターを敷いて雨水を浄化し、一番下に水路を設けることで、雨が降れば即飲料水が手に入れられるシステムを順次導入していくという。
水は地下にある貯水タンクに貯められ、近隣の住民が飲料水として使用できるようにするという。地震などの非常時に上水道が遮断されてしまった場合でも、このタンクの水は手動で組み上げることも可能である。雨が降るたびに充填される仕組みになっているので、上水道の遮断が長期に亘っても、近隣住民の生活用水を安定的に供給できるということだ。なお、豪雨が発生し、タンクがいっぱいになった場合は、水は自動的に下水道に振り分けられるようになっている。
現在、世界中で水不足が叫ばれている中で、今や水は重要な資源であり、日本中の国道をまずは浄水・貯水仕様とすることで、水資源確保を狙う。
今回の取り組みが成功すれば、この技術を世界に輸出することも可能となると専門家筋は見ている。
道路評論家の藤井道夫氏は、「舗装表面にはかつては石炭由来のコールタールが用いられ、発がん性があるとされるベンゾピレンがかなり含まれていたから浄水機能などはもってのほかだった。現在使われている石油由来のアスファルトはベンゾピレンの含有量が少ないがそれでもまだ完全に安全な材料ではない。それでも道路に浄水機能を持たせようとしているということは、完全に安全な、アスファルトに代わる道路材料について国土交通省の方で目処が付いたのではないか?」と話している。(写真は国道20号線=甲州街道)
投稿日: 2012/09/20 08:05:48 (JST)
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