正月は家族や親戚で集まって、カルタや百人一首を楽しむことが定番だ。が、今年の正月は、そんな風情にコンピューターが一役買っていたという。その主役は、昨秋、発売された、コタツの天板全面が有機ELパネルとなっているKotaPad(こたぱっど・アルティメット電器製造・アルティメットショップ販売)だ。
KotaPad対応のカルタや百人一首が年末、任天堂(株)から発売された。コタツの天板にカルタがばらまかれ、コタツに足を入れた競技者4人までが楽しめる。別画面のコンピューターにランダムに現れる言葉を読む「詠み人」に合わせて、競技者らはKotaPad上のカルタに触れる。触れる前には自分の手元のバーにタッチしないといけない。バーにタッチした後に正解のカルタに触れると、そのカルタが手元に瞬時に移動することになる。なお、「詠み人」まで音声で自動にすることも出来る。
この正月は全国の各家庭で、KotaPad対応の百人一首が大人気だったようだ。人気の理由を取材により分析すると、3点挙げられる。ひとつには、実物の百人一首を用意してかき混ぜたりする必要のない簡便性、ふたつには、お手付きをコンピューターが判断してくれる公平性、最後に何と言っても「コタツの上でカルタが出来る」という意外性だ。なお、「お手付き」の詳細設定は競技前にできるそうだ(一回休み、二回休みなど)。
KotaPad対応で百人一首を体験した中村祐子さん(23)は言う。「この正月はKotaPadの百人一首に熱中しすぎました。大学時代の日本文学専攻の仲間5人でやったのですが、徹夜になってしまいました。男の人たちが徹夜で麻雀をする気持ちがわかりました。一見、百枚のカルタが一枚のコタツの天板の上では狭すぎるかと思いますが、すぐに目が慣れます。実は徹夜したのは、『繰り返し競技モード』で、各回の順位が全部見られるからです。いえ、もちろんお金なんて賭けていませんよ。」
補足すると、「繰り返し競技モード」の場合は、順位や枚数の蓄積が全て表示され、麻雀やボウリングのように、自分の競技履歴が明らかになっていく仕様だ。このように人気の高い「KotaPad版百人一首」であるが、年配者からは「カルタを切ってかき混ぜる手触り感が失われる」との声も聞かれる。さあ、これが老若男女に等しく受け入れられる日が来るのだろうか。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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