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北陸新幹線、大阪延伸の第四のルート、湖上案が有力に

 北陸新幹線は昨年3月に長野-金沢間が延伸開業し、大勢の乗客でにぎわっている。そこから先の金沢-敦賀の延伸ルートと開業時期(2022年春)は決定済みだが、敦賀-大阪の延伸ルートと開業時期が長らく決まらなかった。「小浜ルート」「湖西ルート」「米原ルート」の3案で対立してきたが、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会はこのほど、第4の案である「湖上ルート」を強く推すことを決定したと発表した。開業時期は前倒して2025年春が予定されるという。

 「湖上ルート」では、敦賀から京都までの大部分を、琵琶湖を縦断する形で新幹線が橋上を走ることになる。湖であるため土地の買収費用がかからないこと、トンネルを掘るよりも橋をかける方がコスト面でも割安であること、乗客が景色を楽しめることなどが推薦要因となった。また、北陸方面から中京地域に行き来するための、湖上でのY字型の分岐があり、そこから米原を経て名古屋までつながる路線も組み入れるという。

 これまでの3案では、小浜ルートは建設費が約9500億円と最も高い一方で、敦賀から大阪までの所要時間は33分と最短である。米原ルートは同所要時間が45分と最長であるが、建設費は5000億円程度と最も安い。湖西ルートは所要時間が35分、建設費が中間に位置する。第四の案の湖上ルートは所要時間が34分と小浜ルート並み、建設費は6000億円程度と米原ルート並みになる。所要時間が短い理由は、走行距離が短いことに加え(地図参照)、湖上の一定の高さを走るためにアップダウンが少なくスピードが出しやすいことにも因る。

 与党・検討委委員長の高木毅氏は言う。「長らく『小浜ルート』『湖西ルート』『米原ルート』の3案で対立してきた。その折衷案を探っていくうちに、自然に『湖上ルート』が浮かび上がって来た。北陸と関西が一体となる関係を築けるために、乗り換えなしと時間の短縮は譲れない。また一方で北陸と中京圏のつながりも重視すること、国費を使うために安くできる方がいいという立場もあった。湖上ルートはその全ての点で合格点といえるからだ。」

以下は、記者と同検討委員会の広報との一問一答。

問:琵琶湖の平均水深は40mもあるが、技術・コスト面は大丈夫か?
答:琵琶湖北西岸近くの推進の深い所は避けたルートをとるが、本州四国連絡橋や東京湾アクアラインの建設の例を出すまでもなく、この分野のわが国の技術力は高く、もっと深いところで橋脚をかけてきた実績もある。

問:大規模な橋脚工事になるが、環境や漁業への配慮は?
答:浜名湖の湖上を通した際にも、大きな問題は生じなかった。もちろん、地元自治体や漁協との緊密な交渉を継続し、問題が生じたら補償する。

問:比良おろし(丹波高地から琵琶湖に向かって、比良山地南東側の急斜面を駆け降りるように吹く北西の風)対策は?
答:湖西ルートに比べるとその心配は少ないが、特に強風が心配される部位では、橋上の防風柵で対処する。

問:湖上ルートは琵琶湖大橋と交叉するのでは?
答:琵琶湖大橋の上か下を通って立体交差させる。おそらくは琵琶湖大橋のへりの部分の上を立体交差で湖上ルートが通ることになるだろう。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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