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中国、大気汚染対策に空からミスト散布へ

 中国では北京をはじめ大都市で、PM2.5による大気汚染の被害が深刻化している。その対策として2年前からは、細い霧状の水を地上から上空に向けて噴射するミストキャノンが導入されたが、効果はまだ「焼け石に水」状態だ。ここにきて中国政府は昨日、大都市に発着する飛行機にミストキャノン装着を義務付け、飛行機の離着陸の際に空から水霧を散布していく方針を明らかにした。

 ミストキャノンとは、10ミクロン程度の水滴を作り出して、大砲のような装置から上空に向けて噴射するものである。水分が粉塵を吸着する効果が期待できる。元よりこの技術は建設や鉱山業界ではよく知られており、実際に現場で働く人の肺に石炭などの粉塵が入るのを防ぐために使われてきた。確かに中国では大気汚染が深刻化してからも、雨が降る日は比較的大気の質が良くなることは知られていた。2年前からのミストキャノンの本格的な導入で、呼吸が楽になる程度まで改善させることが明らかになってきたが、その効果のほどはまだ一時的である。

 それならばと、地上からではなく上空から、大々的にミスト散布を導入することになった経緯だ。飛行機からの散布は、米国などで肥料散布で用いている技術を導入するそうだ。試算によれば、大都市に発着する飛行機の全てがミスト散布を離着陸の際の約10分間ずつ施行すれば、大気汚染が約70%減らせるという。今後、中国の大都市で地上を歩く際には傘が手放せなくなるが、マスクが手放せないよりはましだろう。

 なお、中国政府では昨日の発表で、国際線で中国に着陸する飛行機がミストを自国から積んできた際には空港使用料を割り引くなど優遇するとも述べている。また、ミスト用の水の輸入にも取り組むという。水資源が豊富な我が国に対して発信しているのだろうか。我が国にもPM2.5が偏西風に乗って飛んでくるため、中国本土での大気汚染は「対岸の火事」ではない。今回の対策で、PM2.5が激減することを期待したい。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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