2048年に全線開通したリニア中央新幹線におされ、旧幹線とよばれる従来型の新幹線の乗車率が減り続けていたが2050年度は数年ぶりに乗車率が復活したとRR東海が発表した。まだリニア線の本数が少ないため従来型も営業しているが、東京-大阪間が1時間というリニアを選択する人は増えていた。
しかしリニアの導入には巨額の費用がかかるためすべてをリニアにするには少なくともあと20年はかかると言われている。
旧幹線を営業するRR東海、RR西日本は「時間のかかる旧幹線ならではのサービス」を次々と打ち出した。まずリニア開業翌年には懐かしい「食堂車」を復活させた。一両まるごとレストランでテイクアウトのメニューも豊富。席に温めた駅弁を持ってきてもらうことも可能となった。
大阪発最終の旧幹線では食堂車は限定のバーに早変わりし、ソムリエも同乗、ワイン選びを手伝ってくれる。また、列車にまつわる名前のカクテルも月替わりで提供。今では最終をわざわざ選んで乗る乗客もいるほどの人気になった。夜景を眺めながら、あるいは長いトンネル内に映し出される短編映画を見ながら、アルコールを楽しむことができる。
去年からは目的別車両の導入に踏み切った。4名以上のグループ専用「行帰りも宴会」車両、一人でビールやカップ酒を楽しむ飲んだくれ専用「酒くさい」車両、喫煙者専用「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」車両、小学生以下の子供連れ専用「騒がしい前提」車両、どうしても到着前に仕事を完了させねばならない人専用「オフィス」車両…これらが時間帯に応じて編成される。
今年度の躍進には「マッサージ車両」が功を奏した。乗車時に予約し、予約時間にマッサージ車両に向かうとリフレクソロジーが受けられる。車両内を改造し、一人座席が二列だけのゆったりした作り。座席の前後もかなり空けてあり、マッサージ師が施術しやすいようになっている。以前トイレだった場所を着替え室に改造、席にはカーテンを設け安心して施術が受けられるようになっている。
すべてのコースには足湯がついており、関西方面から東京へ向かう場合は有馬温泉の湯、逆方面は箱根の湯を使うが、他の温泉地の湯も協力が得られれば随時導入予定。
RR東海企画部長は「一車両まるごと使うのでその分販売できる座席数は減りますが、マッサージはどうしても周囲の目のあるところでは無理なので思い切って一車両をマッサージ屋にしてしまいました。女性だけでなく男性にも好評です。適度な揺れが心地よく、普通のリフレクソロジーよりよく眠れるというお客様の声が多いので驚いています」と語った。
マッサージから席に戻ってきた乗客に聞くと「本来旅や移動は時間のかかるもので、その時間を利用していろいろできるのでとても便利に感じます。リニアはすぐ着いてしまうから仕事をしようにも終わらないことが多くて、結局旧幹線を利用しちゃいます」と笑っていた。
次年度からは乗客のリクエストに応えて「懐かしのアキハバラメイドカフェ車両」「東京-博多間ずっと寝ていたい車両」「動体視力を鍛える車両」などの企画が試行されるという。旧幹線の新たな取り組みに注目だ。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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