こたつに不眠症防止効果認められる

 「健康の素は良い睡眠」がキャッチフレーズの株式会社良睡眠(りょうすいみん)は2日、東京東海大学医学部不眠症研究グループとの共同研究で、不眠症にこたつが有効であることが判明したと発表した。不眠症の人100人に、ベッドや布団で寝るのを止め、こたつで寝てもらい、何もしなかった対照群100人と比較したところ、こたつで寝た場合は30%が良く眠れるようになった、42%が少しだけ良く眠れるようになった、と回答。不眠症にこたつが有効であることが明らかになったという。

 こたつに入ると誰しもが異様に眠くなる現象は以前から注目されていたが、こたつを不眠症の治療に使う研究は初めて。共同研究に当たった東京東海大の偶々太郎(ぐうぐうたろう)教授は、「こたつに入って眠くならない人はいない。下半身が温められ、血行が良くなるためと考えられる。この強力な睡眠誘導効果は長年見逃されてきたが、今後はこの方法が主流になるのではないか?」と話している。

 昨年の末に、学校に導入されたこたつの癒し効果が話題になったが、今回は不眠症治療効果が判明したわけで、今後もこたつの身体に対する効用が順次明らかになることが予想される。いずれにしても冬にしか使えないのは残念だが、人は特に冬に調子が悪くなりやすいので今後も研究を進めていくべきだろう。

 日本伝統文化研究家の日乃本次郎(ひのもとじろう)氏は、今回の研究について「こたつに限らず、日本の伝統文化は本当に奥深い。日本人が何気なく見過ごしているものの中に、実際にはとてつもない知恵が含まれていることがしばしばある。日本人は最近は完全に自信を失ってきているようだが、我々は日本伝統文化という巨大なストックを持っているのであって、もっと胸を張るべきだ。」と述べた。

 今回の研究について書かれた論文は先月、世界的な科学誌スーパーサイエンスでアクセプトされ、来月には同誌に掲載されるという。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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