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上下可動式のホームドアが登場

 駅のホームドアの設置の重要性は数年前から盛んに呼びかけられてきている。近年は、駅のホームで携帯電話をいじったりして線路に転落する事故が増えている。また、バリアフリーが進み、目の見えない人の社会進出が進んだことは良いが、ホームで転落するリスクが増えている。ホームドア設置の別な経済的な目的として、駅員の人員削減もあるようだ。

 ただ、ホームドア設置がなかなか進まないことにはいくつかの理由がある。ホームドアを設置した場合は、列車がそれに合わせてピンポイントで停車する必要が生じる。定位置停止装置などが導入されている場合はともかく、多くの場合は運転手の操作技術が必要になる。停止位置に不備が生じて停めなおすことも多い。

 さらなる問題として、地下鉄などの決まった規格の車両しか停まらない場合はともかく、JRなどでは特急列車等で「ドア数の違う車両が混在している」ため、左右スライド式のホームドアでは全ての車両の規格に対応できなくなる。ホームドアがそのドア引き込み部も含めて左右に動くものもあるが、いちいち動かす手間やコストの問題が生じてきた。

 ここにきてJR東日本では、一部の駅で上下可動式のホームドアの設置が始まった。左右数メートル単位で板状のホームドアが上下にスライドする。数メートル単位になっているのは、ホームが弧状に曲がっている場合にも対応できること、一度に数十メートルもの長さで動くことに比べてコストが安いこと、一部のドアに故障が生じても対応可能なことなどの理由による。

 上下可動式ホームドア設置にはいくつかの難関があった。まず、電車とホームとの間にはわずか数cmのすきましかなく、そこに収まる形状の素材の選定があった。

 また、ドアの上下移動は、車輪状のネジがホームの端に設置されたことで解決されたように見えたが、一部特急列車ではこのネジがドア開口部にあたり、乗客がつまずく問題が生じた。そのため、ネジは全てホームの下面に設置されることになった。

 さらに重要な問題として、ホームドアが下に降りきらないうちに電車のドアが開いてしまうと、ホームドアでつまずく乗客が生じかねない。この問題の解決には、ホームドアが降りきらないと電車のドアが開かない仕組みにした。

 これら問題を解決した、上下可動式のホームドア、果たしてどれくらい受け入れられて広まるか、業界の注目を浴びている。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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