20世紀が終わる頃までは、歯医者での治療は痛いと相場が決まっていた。そのため、子どもは歯医者の姿を見るだけで泣くほどだった。おとなでも歯医者が手にするドリルのような機械から出るキーンと言う音を聞いただけで、背筋が凍る思いだった。
しかし、21世紀に入ると無痛治療法が普及し、誰でも気軽に歯医者へ行くようになった。
そんな中、無痛治療を拒否し、痛い歯医者へ行く人たちがいる。それは、江戸っ子たちだ。痛くない歯医者に行くのは江戸っ子の名折れだと言うのだ。その一人、台東区の大山寅吉さんは「こちとら江戸っ子でぃ。風呂もうーんとこさ、熱いのに入ってるぜ。歯医者くらいで『いてぃ』なんて言っちまっちゃ、長屋のみんなに笑われちまう。」と言う。(長屋=マンションの意)
そんな江戸っ子たちは、歯医者に行くと「先生！無痛なんていやですぜ。うーんと痛い治療がいいねぇ。そこんとこ、よしなに…」と有痛治療を希望する。
ちなみに、治療費は有痛治療と無痛治療に関わらず同額だ。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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