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会社でお茶を立てる!?~給湯流茶道が人気~

 これまで茶道と言えば、あの本格的な茶室で行う格式高いものというのが相場だったが、今、全く新たな茶道流派が会社人間の間で流行している。なんとこの流派、会社の給湯室を中心としたスペースで茶道を展開しているのだ。

 給湯流は、初代家元である谷田半休氏が、戦国時代に戦争の合間に武将達が茶道をたしなむことによって静寂と調和を楽しんでいたあの精神を、現代の戦場たる会社において蘇らさんという志を持って始めた流派だ。

 谷田氏は、「茶は、その精神こそが真髄である。形式はそれを表現するための手段であり、大事ではあるが、時代やニーズに応じて変化(へんげ)していくのもこれまた必然。給湯室は新たな、茶の精神の宿り場(やどりば)としてもっともふさわしい。」と言う。

 新しいものには通常人々の抵抗が付き物だが、谷田氏は会社という、これまでの従来型茶道が全くターゲットしてこなかった場所を舞台としたため、そのような抵抗がほとんどなかったという。これを幸いとしてこの茶道は、殺伐とした世界に生きる企業戦士たちの間に密かにしかし着実に浸透していった。一見荒唐無稽に見えるが、3年で退職してしまう若者、そして欝、心身症、パワハラ、セクハラといった次々と起こる会社内の諸問題に対して谷田氏は1つの力強い答えを提供しており、本物志向のサラリーマンやOLたちの心を捉えたのだ。

 給湯流を体験したある2年目OLはこう話す。「和菓子を食べ、先輩の女子社員が入れてくださったお茶をたしなみ、掛け軸や、お茶碗の話などに花を咲かせているうちに、日頃の疲れをいつのまにか忘れ、参加した皆の心が1つに融合していたように思います。そこには心の静寂が、ただ存在していました。」

 谷田氏はまた言う、「茶は、眠気覚ましになる。昼食の後の満腹感からくる倦怠を、抹茶のカフェインが吹き飛ばしてくれる」と。このような実際の御利益があることも見逃せない。昼食後の眠気を吹き飛ばすには、確かに会社でやらなければほとんど意味がないのである。

 みなさんも、時には、給湯流の新しい世界に触れてみるのもいいのではないだろうか?きっと毎日の忙しい日々の中に新たな息吹を感じることができるだろう。

 写真/岸本咲子

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

給湯流のHPはこれですね。
http://www.910ryu.com/

山古啓二 (日付:

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