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ウナギ:国内不人気、海外大人気

 若い人はあまり知らないかもしれないが、かつては土用の丑の日というのがあって、毎年夏の風物詩として、この日になると大勢の人たちがウナギを買い求めたものである。今年ももうすぐ丑の日がやってくる。しかし、最近ではこの日のことを知る人は高齢者のみになってきた。

 ウナギについての歴史を振り返ってみよう。ウナギはもともと多くの日本人の好物で、25年ほど前には、ウナギは稚魚の大幅な不足から供給が減って需要に追いつかずに、値段が高騰した時期があった。そのため、水産庁などの努力によって15年ほど前から、養殖ウナギの卵をふ化させて成魚にする「完全養殖」で、稚魚のシラスウナギを年間5000万匹生産できる、長年の念願だった技術が確立した。

 それでウナギはようやく安い魚の仲間を入りしたのだが、せっかくそのような技術が確立されたにもかかわらず、今では40代以下の若い世代を中心に、味覚や食文化の変化から、ウナギを好む人々が急速に減ってきている。もともとウナギが好きだった高齢者たちも、若い人からウナギが毛嫌いされているのに合わせるように、ウナギを食べなくなっていったのである。

 日本の食文化の中でも代表的存在だったウナギが、このような不人気に見舞われる予兆は、既に25年前に現れていた。2012年11月のニュースのまとめに「小中学生の嫌いな料理 「うなぎ」が2位にランクイン」という記事があるのを発見した。http://matomelog.ldblog.jp/archives/20087593.html

 江戸時代に「土用の丑の日」を考案したとされる平賀源内がこの現状を見たらきっと悲しむに違いないのだろうが、文化とはいつの時代も変遷するものである。ウナギとて例外ではなかったというわけだ。

 一方、世界ではウナギに追い風が吹いている。例えば新興経済圏として勃興してきたアフリカ大陸では、ウナギは名高い日本食である”Kabayaki”として大人気であるため、日本の同地域への主要輸出食品の1つとなっている。気温が高い現地で、夏バテを防ぐスタミナ食として紹介されたウナギが大歓迎されているのだ。エジプトのカイロ大学でウナギのスタミナ効果が科学的に解明されたこともウナギ人気に拍車をかけた。

 日本では不人気となったウナギだが、経済的には日本経済復活の一翼を担ったということができる。まさにウナギさまさま、である。
(写真は、エジプト・カイロの日本料理店”Utamaro”の一番人気メニュー、”Kabayaki Special Set”)

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

2036年の段階では、もうUnagiはアメリカでも品薄になるほどの大人気だった。私の好みはKabayakiではなく、Shirayakiだった。

ジョン・タイター (日付:

2037年7月18日
伊勢に暮らす親戚が、この記事を読んで「そうそう、昔は土用の丑の日というのがあって、伊勢神宮の中はひつまぶしを食べる人たちでにぎわったのよ~」と懐かしそうに話してくれました。
でも実際、ウナギって、おいしくないですよね?私も嫌いな食べ物2位ではありませんが、10位以内に入ります。高級品だったんですね。
そう思って食べてみたらおいしいのかも?美味しいような気になってきました!

山石木綿希 (日付:

ジョン・タイターさん、コメントありがとうございます。白焼きがお好きとはなかなか通ですね。私は日本人ですが、普通に蒲焼が好きで、むしろ今の子供たちがウナギが嫌いというのが信じられません。

オラクル (日付:

山石さん、はじめまして。コメントありがとうございます。えーっと、これはコメント自体が未来ってことですね。なんか未来新聞、時空を超える機能が付いているかのごとく感じますw 2012年の段階では、ウナギは結構日本では、少なくとも大人の間では人気があって、相当値上がりしてます。私も大好物です。

オラクル (日付:

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