このところ、結婚情報誌デクシーのライターである横山由美子(28)は毎月、あるお見合いパーティの取材に行っている。
それは、トランプの「大富豪」を、結婚希望の見知らぬ男女同士で行うパーティだ。この大富豪お見合いパーティは、このところ話題になっている、「大富豪」がお互いに知らない人同士でも気軽にコミュニケーションするのに役立つ効果を利用して高い確率でカップルを誕生させることができるという。横山は、このパーティを体験取材しているのだ。
その横山も、初めて取材したときは「大富豪なんて子供がやるただの遊び。何も起きるはずがない。」とたかをくくっていた。しかし、横山は体験のためにパーティに参加したときに、その予想が全くはずれていたことに気づくことになる。
横山曰く、「勝った人には高額の商品が出るという緊迫感がある中で、大富豪に無我夢中になって、男性に自分をいかにして良く見せるとかいう余計な雑念が消えていた。そして、気がついたら一緒に大富豪をやった、初めて出会った6人の男女がみんな仲良しになっていた。この方法なら、すごく短い時間で打ち解けることができる。
ローカルルールの違いについてはパーティの司会の人は、『それぞれで話し合って決めてください。』としか言ってくれないのでまず最初にやるのは、皆で話し合ってローカルルールを確定することになる。私たちのグループでは、同じグループにいた男性がリードして、みんなの合意を取り付けてようとしてくれたけど、最初は自分の地方のローカルルールにこだわる頑固な男性がいてなかなか決まらなかった。でも最後はまとまったから良かった。ああいうところで男性の、夫としての資質がよく分かる。」
確かに大富豪には、出身地や年代によって微妙に異なるローカルルールがある。だからこれを統一するのがなかなか難しいだろうという意見もある。
しかし、例えば一組の男女が結婚したとして、その後彼らが乗り越えなければならない、いわば「各家庭のローカルルール」の違いは、大富豪のローカルルールの違いの比ではない。
すなわちある意味結婚においては、それぞれの男女が持っているローカルルールの違いをどれだけ乗り越え、幸せを築いていくかが極めて重要になってくるのだ。
そしてトランプゲームの中でも、ローカルルールの違いが一番多い、この大富豪というゲームを行うことで、どのくらい自分の育った環境下におけるローカルルールに固執せずに柔軟に対応できるかが如実に分かってしまうのである。
横山は今後もこの、実は奥の深い「大富豪お見合いパーティ」を追い続けたいという。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
コメントの書き込みにはログインが必要です。