輸入自動車の整備を主に手掛ける、アルティメット自動車は17日、日本でのメルセデスベンツの、故障修理に特にお金がかかってしまう箇所について、お金をあまりかけないように直すための対策パッケージ「安心ベンツ君」を発売した。
同社の千歳山吾郎社長は、「日本ではドイツと風土が違うため、メルセデスベンツ社が想定しない故障がよく起きるので、ユーザーは必要以上に出費を強いられる。その対策を安く行うニーズは大きいと見た。もっと気楽にベンツに乗って欲しい」と語る。
「安心ベンツ君」による対策は、以下のとおり。
①オートマチックトランスミッションは、日本ではストップアンドゴーが多いため、ATFを定期的に交換しないと10万キロ程度でオーバーホールが必要になる。これには非常に高額な費用がかかってしまう。そこで3、4万キロ程度でのATF交換をすることでこれを防ぐことができる。純正のATFは非常に高額だが、ベンツ社が認証したATFで半額以下の安いものがあるのでこれを使ってコストを下げながら対策する。圧送による交換はコストオーバーになり、また廃棄するオイルが大量になってしまい環境負荷が大きいため行わない。
②日本では、短い時間での走行が多いため、Noxセンサーが壊れやすい。故障した場合、左右同時に替える必要があり、しかも1個10万前後のNoxセンサー部品を丸ごと交換する高額修理になる。しかし、壊れているのは大抵センサー部分だけであり、コンピュータ部分は壊れていないことが多い。そこで安心ベンツ君では、センサー部分のみを交換できるよう対策センサーとケーブルを使用して修理する。これにより左右で工賃込で総額6,7万円に収まることになる。
③ブレーキパッドとディスクローターについても対策する。ベンツは通常、パッドがローターを削ることによって高速域での制動力を確保している。しかし、日本ではアウトバーンのあるドイツと異なり、そこまでの性能は要求されない。また、ストップアンドゴーが多いため、パッドがローターを削るやり方だと非常に早くパッドとローターの交換が必要となる。これも高額の修理費がかかる(20万円程度)これについては、EUの安全規格ECE R90を取得した、ローターを削る量が少ないパッドを使用し、長期間ローターの交換を不要にする。ローターについても、純正ディスクローターは高いので、OEMメーカーの同等品を使い、コストを下げる。ローターのメーカーは、ATE社を採用。
③M272、M273、M276等のエンジンは、カムアジャスターハーネスや、カムポジションセンサーを通して、毛細管現象が発生してオイルがECUにまで染みてしまうトラブルが起きやすい。ECUがオイルで溢れてしまった場合はやはり高額な修理代がかかってしまう。そのため、カムアジャスターハーネス対策品が純正で発売されている。しかし、これも完全にオイルの浸透を防げるものではない。そこで完全にオイルが漏れないよう作り直したものを製作することにした。カムポジションセンサーは対策品がこれまでなかったが、これについても同社が新たに製作することにした。
④M272、M273、M276エンジン等はインテークマニホールドのタンブルフラップと呼ばれる部品がプラスチック製で、これが壊れやすい。しかし、ベンツ社はタンブルフラップを単体で発売していないため、インテークマニホールドをアッセンブリーで交換しなければならなくなり、これも高額の修理費がかかる。これに対しては、ヤナセがジュラルミン製の対策部品を出しているのでこれを使用して対策する。
その他、高額の修理費が将来かかりそうな箇所(エアサスなど)について、費用をかけないで対策できるメニューを車種ごとに用意していく予定だ。
同社長は、「ベンツと言えば維持費がかかる。という常識を覆したい。日本では日本に合わせた形で対策していけば、ベンツも日本車と維持コストはそれほど変わらない。」と述べた。
同社では、「安心ベンツ君」の対策を全て行ったベンツ中古車に、「安心ベンツ君」シールを貼り、販売していく予定だ。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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