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書評:「ブランド洗脳ビジネスが財布を開かせる」(鈴山茂樹著・放談社)

 この、世界中を不景気の波が襲う世の中で、未だにとてつもない利益を生み出している有名ブランド。ルイ・ヴィトン、グッチ、シャネル、エルメス、ディオール、カルティエなどなどの高級ブランドが、なぜ固い財布を開かせてしまうのか?

 そこには、新興宗教などが用いる洗脳手法と全く同じやり方が使われていた。著者はその秘密を、赤裸々に描き出す。

 著者によると、ブランドによる人々の洗脳の方法は、潜在意識を操ることだという。人間は、大抵の場合自分が理性的に考えていると信じ込んでいるものだが、実際には潜在意識でほとんど全ての決定を行っている。そのため潜在意識を、理性を司る脳に気づかれないように塗り替えてしまえば、人々はある意味「自動的に」購買活動に走ることになる。

 洗脳は、人種コンプレックス、金持ちコンプレックス、外見コンプレックスなど、人々の潜在意識に既に存在している脳内リンクを上手く利用して行われるという。これらのコンプレックスを、ブランド品の購買によって解消できるかのように思わせる仕掛けをコマーシャルでのイメージ戦略を用いることで多くの人々は、全くその自覚もなしに洗脳されていく。

 そして、まるで催眠術にかかったようになった、というよりはまさにブランドによる催眠術にまんまとはめられた群集はブランドに
憧れ、なけなしの金をはたいてしまう。

 著者は、このような構図が近年の心理学的な最新研究を背景にした洗脳技術の飛躍的向上によって強まっていることに対して強い懸念を表明し、「これは実質的な奴隷制度だ。まさに映画マトリックスの暗示する状況そのもの。早く覚醒して、操られていることに気づいて欲しい」と述べる。

 ブランドに現在はまっている人はもちろん、ブランドなんて買わない、という人も、ブランドで用いられている洗脳技術はブランド以外の世界でも用いられているので、是非読んでいただきたい。
 

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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