湖中新幹線がいよいよお目見え

 秋晴れが心地良い昨日、JR西日本は、来年早々の開業を控えた北陸新幹線の敦賀-京都間の試験運行を公開した。このルートは何度も計画変更がなされたが、数年前に琵琶湖の水中を通過することが決まってからは、土地取得が不要なことなどもあり、とんとん拍子で工事が進んだ。当初は環境への負荷が心配されたが、陸上で作製した線路付きの透明なチューブを沈めていく工法のため、水鳥等の生態にはほとんど影響なく済んだ。公開された新幹線からは水族館のような風景を堪能でき、早くも水族館新幹線とも呼ばれだしている。

 この新幹線は、敦賀-京都間をほぼ最短距離の約100 km、約45分で結ぶ。その大部分の約80 km、約35分の区間が、琵琶湖内に設置された透明なチューブ内だ。水中であるため、比良おろしと呼ばれる強風の心配がないのがメリットだ。走行中は、琵琶湖の水中の魚や藻などの風景を楽しめる。琵琶湖名物の水鳥を下から眺めることもできる。途中で1回、米原の近くの湖上中央駅で水上に顔を出す。将来的には湖上中央駅と米原駅が結ばれ、名古屋方面からも北陸方面に新幹線で直行できるようになる。

 今回の公開で試乗してみて、今後の関西から北陸方面への出張の楽しみが増えそうだと感じられた。以前に予定されていた小浜・京都ルートでは距離も時間も長く、トンネルが多くなるところだったが、湖中ルートでは短時間で済み、明るいからだ。

 また、小浜・京都ルートでは京都駅で既存の東海道新幹線と直行するため相互乗り入れができないが、湖中ルートでは京都駅に東海道新幹線と並行して入るため、相互乗り入れができるため、新大阪駅発の北陸新幹線も予定されている。将来、リニアモーターカーの名古屋・大阪間が開通して東海道新幹線に空きが増えれば、この相互乗り入れがさらに増えそうだし、北陸新幹線自体を大阪まで延長しなくても済みそうだ。

 この湖中新幹線、別名水族館新幹線は早くも、名所になることが予感される。海外でも、今回の工事が日本の技術の粋を尽くしたものと大きく報道されており、京都観光のついでに湖中新幹線も楽しむといった観光ルートも想定され、インバウンド需要も期待できそうだ。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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