世田谷区は、来年から道路のアスファルトのすぐ下に金属製のパイプを敷き詰めて温水を生産し、近隣の住居に格安の値段で分配するプロジェクトを開始することを決定した。
世田谷区では2年前から国土交通省との折衝を行っていたが、このほど同省との合意が成立し、同プロジェクトが可能になった。
アスファルトの道路は夏には表面の温度が50度にも達することが珍しくなく、道路のすぐ下にパイプを通すと40度程度のお湯を作ることができるとされる。作られたお湯は分配先の家庭の保温タンクに貯蔵され、夜の入浴時などに使用されることになる。お湯の温度が足りないときはお湯の分配を受けた家庭で加温する必要がある。お湯が作れるのは、5月頃から10月頃までの半年程度だが、少しでも温度が高い水を使用することで燃料費を大幅に節約できると期待されている。
一度パイプを埋め込むと、掘り返すことができなくなるため、共同溝化を同時に進めることが必要となる。そのためコストが一時的には高くなるが、現在はガス、電気、水道それぞれの担当会社が別々に道路を掘ったり埋めたりしており、その分の無駄な費用を共同溝化、及びパイプ埋め込みに回せば、5年程度でコストの回収が可能だという。
分配を受ける側が燃料費節約分の半分程度の料金を出せば良いような料金設定になるということで、消費者の財布にも優しいプロジェクトになる。
道路の熱はこれまで無駄なものと嫌われてきたが、今後は自然エネルギーの1つとして利用するということになる。世田谷区の試みはまだ始まったばかりだが、未来のあるプロジェクトだ。
エネルギー評論家のハイパー後藤氏は、「これまでの自然エネルギーは、電気に変換してから使用していたため、実際は効率が悪かった。今回のプロジェクトでは、太陽熱エネルギーを直接お湯を温めるのに使用するため非常に効率が高く、しかく設備がパイプだけなので低コストだ。共同溝とセットにするしかないが、せっかくだからこの際一気に共同溝化を進めてしまうべきだろう。何回も道路を掘ったり埋めたりしている時代は終わった。その無駄を省けば確かにそれくらいの費用は捻出できる。」と話している。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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