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「令和の特定地方交通線」バス転換完了

「令和の特定地方交通線」と呼ばれた国土交通省の主導する赤字ローカル線の廃止計画で最後まで残った北海道の宗谷本線の旭川から稚内までの全線が3月31日の最終列車を以て廃線、バス転換となった。特定地方交通線は国鉄時代末期に国鉄再建のために定められ、JR初期までに多くの路線が廃線となった。このいわゆる「令和の特定地方交通線」は25年前の2020年から流行が始まり、鉄道の需要を激減させたCOVID-19を機に本格的な検討が行われるようになった。国土交通省が輸送密度・営業係数などを総合的に判断して路線を指定し、JR各社や自治体を交えて話し合いを行った。指定されたのはJR全線の総延長のおよそ半分に当たる213線区。鉄道を残したい自治体側との交渉は難航し、特定地方交通線の時よりかなり時間がかかってしまった。しかし、多くの自治体で廃線後に転換されたバスは鉄道より利便性が高くなり、時間をかけただけの効果はあった。特定地方交通線では多くの路線が第三セクターに移管され存続したが、今回は多くの自治体で過疎化が進み財政が悪化していたため、第三セクターによる存続を選んだのは千葉県の久留里線のみであった。久留里線は2036年に木更津から上総亀山までの全線が第三セクターの「房総さざなみ鉄道」に移管された。しかし、JR時代から利用が極端に少なかった末端区間の久留里・上総亀山間は昨年廃止されており、先行きは明るいとは言えない。
宗谷本線は当初、名寄・稚内間のみを廃線とする計画であったが、長大な路線であるために代替交通機関の確保などが難航し、その間に利用者減が進み全線が対象となってしまった。宗谷本線は2036年に全線が特急列車となり、特急の通過駅は全廃された。その特急も次第に本数が減り、一昨年3月のダイヤ改正以降は2両編成の特急列車が1日1往復走るだけとなった。31日は午後9時48分に最終列車が旭川駅に到着した。旭川駅には多くの鉄道ファンが詰めかけ、別れを惜しんだ。最終列車に乗っていた稚内市に住む67歳の男性は、子供の頃に天北線(1989年廃止)に乗ったことを思い出し、「随分と北海道の鉄道も寂しくなったものだ」と嘆いていた。宗谷本線は今日から、5区間に分かれた路線バスとして新たなスタートを切る。しかし、路線バスも赤字となることが見込まれており、今後も予断を許さぬ状況が続く。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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