子供が欲しいカップルにとっての2つの欲のうちの1つである不妊治療が、体外受精によって可能になったのはちょうど半世紀前の1978年のことだ。今や日本でも、体外受精で生まれる子供が10人に1人まで増えてきた。もうひとつの欲、すなわち男女産み分けはずっと不可能なことだったが、それがいよいよ可能になったというニュースが発表された。
米国カリフォルニアのベンチャー企業、バイオ・テック社は、性行為に先だって膣内に塗り込むだけで、男女産み分けが可能となる、ゼリー状の薬品を開発した。この薬品をボランティアのカップルに試すと、99%以上の確率で男女産み分けが出来たという。この薬品は、精子の表面に現れる形質を認識する核酸配合物であり、細胞の中の遺伝子までは変えない。そのため副作用の心配はないという。
同社の研究チームが近年、X染色体を含む精子(X精子)とY染色体を含む精子(Y精子)のべん毛部の表面形質に微妙な違いがあることを発見したことが背景にある。この2種類の表面形質に特異的に結合する2種類の核酸配合物を開発し、これらが結合した精子はべん毛の運動力が落ち、受精が起きる卵管内までたどりつけないという。ご存知の通り、X精子が受精すると女の子が、Y精子が受精すると男の子が出来る。
この薬品の開発に際して、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、安易な使用を慎むように異例の声明を出した。核酸配合物であり、医薬品として管理し、染色体などに病気を持った人が産婦人科で処方してもらう使用に限るとされる。例えば、X染色体劣性遺伝の病気の男性が子供を望む場合は一般に男児が希望され、同様の病気の因子を有する女性が子供を望む場合は女児が希望されることになる。これまで性別が判明してから堕胎されていたようなことがあったが、それが無くなることになり、これらに該当する場合には朗報となった。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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これは倫理的な問題が子記事で出てきそうな記事ですね。
そうですね。パンドラの箱を開けてしまったことになるかも。
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