全日本新聞テレビ協会は今年から政治家へのインタビューで「しょうもない質問」や「くだらない質問」をしないと宣言した。これは「しょうもない質問をしないでください」「くだらない質問には答えない」という一言で政治家が会見を勝手に断ち切ることが繰り返されている現状を憂慮したためである。
協会が発表した新たな報道規定によると今後は「しょうもない質問には答えない」という回答があった場合、しょうもなくない質問は何か、ということをすぐ尋ねる「必殺・質問返し」をしつっこくすることになっている。
協会長の未来新聞取締役会長は「説明は政治家の大事な仕事。どんなにしょうもなくても、くだらなくても、質問には答える必要があるはず。だいたいしょうもないことばかり国会でやって、ここまでしょうもない世の中になってしまったというのに、こちらが寝ないで考えた質問をしょうもないと一蹴すること自体が本当にしょうもないことで、こんなしょうもない人々に政治を任せるしかないのかと思うと涙が出てしょうもない。国民が尋ねることにしょうもない質問などなく、また本当にしょうもない質問ばかりしている新聞記者やテレビ記者は現代ではネットで批判されて淘汰されていくであろう。そう考えるとしょうもない質問というのは存在しないという結論に我々は達し、今年からしょうもない質問はしないことになった」と何度も噛みながら新たな規定を発表した。
また、「それはホームページに全部書いてあるから読んでください」という回答も増えているが、これについて協会長は「全国民が即座に、接続料なしでインターネットに接続できる機器を無償で配布した後ならこれを言ってもいいと思うが、今の状況でインターネットに接続しろというのは本当にしょうもない。貧困層がどうのこうのと言っているが、本当の貧困層は選挙公報しか本当の意味で無料で手にすることしかできない。さらにホームページの何ページ目の何行目に回答にあたる部分があるのか即答してもらわないと、本当にしょうもない文章ばかりなので該当部分が探せなくてしょうもない。接続料はタダじゃないんだし」と、しょうもない表情で語った。
会見終了後開かれた新年賀詞交歓会で協会長はワイン片手にご機嫌だった。「昔はよかったなあー、チャーチルなんてしょうもない質問にチョー面白い話で答えててさあ、それが今は名言になっちゃったりしてて笑っちゃうんだよね。そういうセンスがないのがそもそもしょうもないんだね、あーあ、つまんない世の中だなあ。もっと面白いこと言う人いないかね。あっこれは書かないでね」
しょうもないことを書いてしまったことをお詫び申し上げます。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。
訂正
本当の貧困層は選挙公報しか本当の意味で無料で手にすることしかできない。→本当の貧困層は選挙公報しか本当の意味で手にすることができない。
…でした。
プレビュー画面はやくうううう(しょうもない記者ですみません)しょうもない、がすごく気に入ってしまいました。
英語だと、「しょうもない」は、useless,stupid,あるいはgood-for-nothingと表現する。私のいた2036年のアメリカでは、しょうもない質問をしようとしているときに決まって出る声の周波数というのが特定されていて、そういう質問を記者がしようとすると、そういう周波数を自動認識するマイクが勝手に切れてしまい、質問できないようになる仕組みになっていた。だから、違う文脈ではあるが、2036年のアメリカでもしょうもない質問は存在しなかった。
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