第173回芥川賞に、射合恵(いあいめぐみ)さん(36)の「ろくろ」と上永吉朗(かみながよしろう)さん(29)の「逆子」(さかご)の2作品が選ばれた。
芥川賞受賞・射合恵さん:「確か25年前、田中慎弥さんという方が、芥川賞、何度も候補になって、最後にもらった時に、アカデミー賞で何度も候補になってやっと最後にもらったシャーリー・マクレーンの言葉を引いて『もらって当然』と言ったそうですが、私の場合もある意味同じような感覚。ただ、今回の『ろくろ』は、私が勤務する理化学研究所の量子ハイパーコンピュータ『無限大数』を使って私が過去の全ての芥川賞受賞作品を解析して受賞作品のパターンを割り出し、その上でこの『無限大数』上で私が作った文学作品作成プログラムを走らせて作ったもので、その意味からすると、『当然』の意味が若干違います。まあ正しくは、『計算済み』というべきなんでしょうか?ちなみに私のペンネーム『射合恵』は『いあいえ』と読めて、これを逆に読むと『エイアイ』すなわち『AI』=人工知能の意味なんです。」
射合さんの「ろくろ」は、選考委員から「一見すると冷静沈着な文章でありながら、人間の心情の微妙な揺らぎを見守る温かい目線をも持ち、一度読んだら読者を引き付けて放さない魅力を持っている。」と高い評価を受けた。射合氏が量子ハイパーコンピュータを使用したことについては、選考委員の一人から、「これはもはや人間の作品とは言えない。」という意見があったが、他の委員全員が「どの万年筆を使っても問題がないのと同様これは人間の作品。作品の質のみで判断すべき。」と受賞を認めた。芥川賞には、ほかに上永さんの「逆子」が受賞した。上永さんは「私の作品がもしかして生身の人間が書く最後の芥川賞作品になるのだろうか?」と受賞の感想を語った。
photo http://www.flickr.com/photos/stianeikeland/3696386615/
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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