• « 親記事(前の記事) /
  • この記事に親記事はありません

噴射椅子大好評、しかし使えない客続出

 「究極のモノしか扱わない」がキャッチフレーズのアルティメットオフィス家具部門が発売した、残業を抑制する「噴射椅子」が好評発売中だ。
これは定時以降、噴射によって椅子が爆発し、オフィスの任意の場所、例えばロッカールームや執務室出入り口などまで人を飛ばしてくれるもので、「残業したくない」人に「確実に帰れる」とウケている。
 当初は椅子そのものを発売していたが、昨年度から合言葉によって噴射を制御できる「椅子噴射装置」が発売され、小さな装置をオフィスの椅子に装着するだけで同等の機能を持つ椅子にできるようになり、ますます売り上げを伸ばしている。

 ところが最近、「うまく噴射しない」という苦情が増えてきたという。これについてアルティメットオフィス家具部門、J.浅倉部長が記者会見を行った。

問:噴射の合言葉が難しいのですか?
答:いえ、「アディオス」の一言です。簡単ですよ!
問:スペイン語ですね。発音が正しくないと機能しないとか…?
答:いえいえ、そこまで厳密ではないんです。
問:じゃあ、なぜアディオス!と叫んでもだめな場合があるんでしょうか?
答:この合言葉は、ちょっと古いんですけど、2013年に公開されて大変なことになってしまった実写版「ガッチャマン」にある「アディオス」っていうセリフに設定してあるんです。だから、ああいうふうに言ってもらわないと…。大声で言ったら機能しません。
問:ああいうふうに、って言われても…あれは観た人が少ないんじゃないですか?逆大ヒット作と言われたほどの名作…いえ迷作ですよね。すっごい大変なことになりましたよね。大変なもの好きな方には絶賛されたという都市伝説もありますが…。
答:俳優さんに失礼ですよ!真剣にやられていたんですから。本当に真剣に。真剣にアディオスなんてあなた言えますか?
問:しかし今、あれを観るにはどうしたら…
答:私が貴重な当時のDVDを持っていますので、その映像を通信で配信いたします。それを真似していただければと思います。
問:はあ…しかし、なんで「アディオス」なんですか?
答:日系イタリア人という設定の人物がスペイン語を発しているのが衝撃的だったんです。それと、そのセリフの後爆発が起きて人物がばーん!と加速するんです。そのイメージが椅子を爆発させてまでも帰りたいオフィスワーカーの気持ちにぴったりだと思ったからなんです。
問:ちなみに、どんな感じで言うんですかね?
答:あくまでクールに、低く、しかしはっきりと「アディオス」です。

 合言葉の見本は購入者に向けて本日より配信するとのことである。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

コメントの書き込みにはログインが必要です。

新規記者登録 ログイン