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書評:「婚活なんておやめなさい」(大山安辰著)

婚活という言葉が一般的になってから既に4年が経過した。相変わらず世の中は婚活にいそしむ男女で溢れている。

そんな中でアンチテーゼとして発売された本書は実際には、結婚するなという内容ではない。いわゆる世間的に言うところの婚活、すなわち結婚のための活動は果たして本当に幸せになるために合理的な手段なのかという疑問を呈しているのである。

すなわち、人を好きになるという本質から今の婚活というものがかけ離れているのではないかということだ。

確かに、男女が互いに恋愛感情を抱き、その延長として結婚というものがあるのが本筋である。しかし今はとにかく結婚しなければというスタンスの人が多く、ある意味本末転倒な事態になっているということができるだろう。

ただ、結婚しなければ家庭を作れないし、子供も作れない。これからの厳しい時代に一人で生きていくのははなはだリスキーであり、そういう現実について真剣に考えている人たちに対して単に正論を金科玉条のように持ち出すのは、ある意味冷酷な傍観者ということもできる。

著者はその点をもきちんと理解しているようで、本筋を守りながら結婚するための具体的な戦略、戦術を読者に授けている。

その中では、ライバルがいないフィールドで戦えというのが面白かった。つまり、男女比率を見極めるべきだということだ。例えば女性であれば、女性比率が極めて低いフィールドをリサーチしてそこを狙えという。当たり前と言えば当たり前だが、意外にこれを忠実に実行している人は少ないらしい。確かに、ちょっと考えてみれば、男女比率が極めて不均衡な場所というのは探せばいくらでも見出すことができる。ここで著者は、有名な司法試験塾のカリスマ男性講師が乗馬クラブで相手を見つけたという話を引き合いに出す。確かに乗馬クラブは女性の比率が高く、流石に試験合格のための戦略を生徒に授ける講師ならではであると指摘している。

また、自分が楽しいフィールドにいると、人を好きになりやすいという心理学の法則を持ち出し、趣味の世界で相手を見つけるべしという考えを提示している。これもまた当たり前だが、重要な示唆である。確かに、同じ趣味で盛り上がれれば恋愛感情が発生しやすいのは明らかだ。人間は複雑な動物であり、いきなりストレートに恋愛感情を抱くことはむしろ少ない。著者はここでも乗馬クラブの例を引き合いに出して、説得力を出している。

 本書は、本筋の話をきっちりとした上で、それを具体的に実現する方法を提示している点で、まさに婚活中の人たちにとってのバイブルとなることだろう。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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