アメリカの名門バーハード大学のファジー・サトウ教授の「白霧教室」が人気を呼んでいる。
これまで、欧米の社会では明確な主張をもち、それをもとに的確にプレゼンテーションし、ハードなディベートにも堪える人が価値ある人材だと考えられてきた。
しかし、2020年に開催された東京オリンピックで来日した欧米人たちが、日本で体験した「あいまい」な社会こそが22世紀以降を支える新しい価値観であると考え始めたのだ。
これまで欧米文明が是としてきた「イエスかノー」「白か黒」「私VSあなた」という発想は、効率的であるが、複雑化する国際社会や人々の日常生活の諸問題を解決できるわけではないことに気づいたのだ。その点、腹のうちは見せず、結論はあいまいにし、実行も一日延ばしにするにといった「あいまいさ」こそが壁に突き当たった欧米的発想を変革しうる価値観や発想法になると考え始めているのだ。
そうしたムーブメントを牽引しているのが、公開講座「白霧教室」で、毎回、様々なテーマを取り上げ、あいまいな事実をもとにあいないな論理で、明快な結論を求めないという進行が人気を呼んでいる。熱狂的な視聴者の一人であるジョン・ウイン氏(42)は「あいまいを知るまでは常に息苦しさを感じていた。あいまいは「禅」と通じるのではないか？禅のことはよく知らないけどね」と熱く語っている。
投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)
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